桜と新工房
ごぶさたしてます、スエ本人です。
瀬戸の住宅地を控え目に流れる水無瀬川。
水の音ささやかなこの川べりには少々不釣り合いなほどに見事な桜並木が続いていて、
先の週末は上流下流それぞれに見通せる先の、そのずっと向こうまで桜景色となっていました。
「目黒川にだってひけはとらんよ、見たことないけど」
と地元の方が誇りたくなるのも頷ける眺めでありつつも、
遠方から花見酔客が押し寄せることもなく、
春夏秋冬の日々の中にこの並木の下を歩いているような近所の方々が
立ち止まり、腰かけ、目を細めて和んでいるばかりの、心地良い川辺なのです。
その小川から少しだけ路地を入ったところが瀬戸での二番目の工房で。
狭くはなったものの、気密性は格段に上がり、虫は激減し、しかも入り口には鍵も付いてる、
と書くと以前のところはそんなにもか、と誤解を招きかねないなと気懸りながらも、
居心地の良さには結局甲乙付け難し、としておきます。
晩秋に移って来てから早や数ヶ月。
道具の居場所や制作の動線など、ようやく自然に扱えるようにはなってきました。
ただ、付き合ってくれることになったここの共同窯の個性をなかなか掴み切れず、
焚く度にソワソワと、昇温グラフとガス圧計と温度計を交互に確認しながらの、
新鮮と言えなくもない気持ちでの試行錯誤は、まだ暫し続きそうな案配です。